ネット証券とポートフォリオ

ネット証券会社を経由して株の売買を行うことで利益を出し、資産形成に役立てているといった日本人は非常に多いと言えます。普通に会社員として働いている方だけでなく、資産さえあれば専業主婦の方でも投資を気軽に開始できるといったメリットがネット証券にはあるため、本当に幅広い層がネットを介して株取引を行っているものと認識しておいてください。

しかしネット証券での株取引には株価の下落などによる資産を減らしてしまうリスクが当然含まれていますので、個人投資家の方は出来る限りのリスクマネジメントをとっています。そのリスク管理のための手段のひとつがポートフォリオであり、ポートフォリオとは分かりやすく言えば資産の分散投資のことを指します。

ひとつの株式銘柄に資産の全てをつぎ込んでしまうと、その株式に問題が生じた場合に資産の目減りも激しくなってしまいます。そのようなリスクを回避するため、大きな利益を求めるだけでなく安定株にも資産を回すなど、複数の株式銘柄や株以外の金融商品に自らの資産を投資すること、そしてその組み合わせのことをポートフォリオと言うのです。

株取引オンリーでネット証券を利用している場合は、株価の上昇があまり見込めないものの配当金は毎年得られるであろう安定株に対して、最近株価の上昇が顕著な成長株に対して、今は値上がりしていないもののいずれは株価が上昇しそうな注目株に対して、株の売り買いより株主優待をもらうために所有しておきたい株式に対して、それぞれ余裕資産を四分割して投資にあてるような例がポートフォリオとして挙げられます。安定株と成長株を色々とバランス良く購入して、ひとつの株価が下落したとしても他の株でカバーできるようなリスク対策なのだとイメージしておいてください。海外では安全資産と危険資産の最適保有率のこともポートフォリオと言いますので、投資の世界や金融の世界ではポピュラーな言葉だということも合わせて覚えておくといいでしょう。

ネット証券会社の場合安定株でも少々危険な株でも、株式市場が開いている時間帯であれば第三者を介さずとも自らの意志である程度自由に売り買いすることが可能ですが、予期せぬ事態で株価の急落に対して対応が遅れてしまうといった可能性は、投資を続けている限り十分に起こりえます。株やFXは儲けが出やすい反面リスクも高いといった危険意識を忘れずに持っておき、事前のリスクマネジメントに力を入れることが大切になっているのです。