ネット証券と総合証券の大きな違いは実店舗が存在するかしないかという点にあります。
前者には実店舗はありませんが、人件費などが不要なためコストがかからず手数料が安いという特徴が存在します。
後者は実店舗を持ち対面サポートを行っています。
人件費などのコストがかかるため手数料は高額になりますが、手厚いサポートを受けることができます。
総合証券では法人や個人に対して金融商品の販売や自己売買、売買の仲介の他に新規上場の引受や投資銀行業務などあらゆる業務を行っています。
また営業拠点も国内のみならず国際的に展開している例が見られます。ネット証券はインターネットが一般的に普及し始めた1990年代後半に登場しました。総合証券のような対面接客とは異なり、紙面広告やネット広告により顧客を獲得するという営業スタイルを有します。営業の拠点や人員を必要としないことから固定費や人件費も不要となります。そのため取引の手数料を一般的な証券会社と比較して大幅に減額できます。ネット証券には安い手数料で迅速な取引が可能という特徴があることから短期的な売買に適しています。2000年代以降一般家庭にもインターネットが普及するようになると、短期的な取引を行う投資家たちに支持され急速に発展しました。
投資の初心者が株式に投資して資産運用することを検討するならば、まず総合証券を利用するのが合理的です。確かにネット証券は手数料も安く迅速に取引を行うことができます。そのため短期的な取引をする場合に有利ですが、円滑に取引を行うためには一定の知識と経験が求められます。初心者が最初からインターネットを利用して取引を開始するよりも、実店舗を有する総合的な証券会社で専門家と相談する方がリスクを回避できます。専門家のサポートを受けながら長期的な資産形成を目指す方が、初心者には適しています。ある程度取引の経験を積み専門的な知識を習得した投資家であれば、インターネットを利用すれば効率的に投資を行うことができます。
株式投資を行う場合には収益性の高さが重要となりますが、安全性の考慮も求められます。手数料の安さと迅速性を特徴とするネット証券と手厚いサポートを期待できる総合証券のいずれを選択するかは、投資家の置かれた状況によって異なります。取引に関する知識や経験に自信があり、より収益を上げることができるのならば前者を選ぶのが合理的です。一方専門家によるサポートを受けて安全に取引を行いたい場合には後者を選択します。